『アダム・ランバート』5年ぶりの新作「ベルベット」MV(Album Reviewあり)


アダム・ミッチェル・ランバート(Adam Mitchel Lambert、1982年1月29日 - )は、アメリカ合衆国の歌手、舞台俳優。インディアナ州インディアナポリス生まれ。オーディション番組『アメリカン・アイドル』のシーズン8準優勝をきっかけにメジャーデビュー。
20キロバイト (1,793 語) - 2020年1月25日 (土) 15:14  (出典:Wikipedia)



(出典 www.billboard-japan.com)


濃い~です!

 ここ最近、70~80年代に回帰するアーティストが増えている。ディスコシンセポップニューウェイブなど、当時の音をそのまま再現した曲も少なくない。最新の米ビルボードソング・チャート“Hot 100”(2020年3月28日付)でいうと、2位にランクインしているザ・ウィークエンドの「Blinding Lights」や、3位のデュア・リパ「Don't Start Now」あたりが、まさにそう。

 アダム・ランバート5年ぶりの新作『ベルベットも、そういった風潮をとらえている。米ニューヨークソングライター・デュオ=キネティクス&ワン・ラヴがプロデュースしたオープニングチューン「Velvet」は、“79年ヴィンテージ”というフレーズが登場する歌詞直結の、ディスコ・フロアを再現したダンスポップアダムレトロ感あるボーカルとも相性良く、当時のファッション、ヘアスタイルを取り入れたミュージックビデオも、“ならでは”の世界観に溢れていた。

 イントロアウトロのギターソロに陶酔する「Superpower」は、ファンキーなトラックファルセット使い全てが故プリンスに紐づいた仕上がりで、この曲もまたヴィンテージの風合いがある。フェミニンで淫らなウラ声、上下にうねるベースラインがまんまのファンクポップLoverboy」も、殿下やジョージ・マイケルへのリスペクトに満ちていてカッコいい。

 紫と緑のベルベットを纏ったカバー・アートからして、ディスコファンク時代を彷彿させる本作『ベルベット』。当の本人も、両親が聴いていた時代のレコードからインスパイアされ、ソウルフルに焼き直したと話している。これが彼にとっての“原点回帰”であるのは、根底にある音楽がこの時代のヒットチューンだから、だろう。

 冒頭から力強いボーカルを聴かせる「Stranger You Are」は、「PLAY THAT FUNKY MUSIC」(1976年)のヒットで知られるファンクバンドワイルドチェリー路線のディスコファンク。当時チャートを荒らしていたロッド・スチュワートっぽい歌い方も、ファンキーなトラックと見事マッチした。その70年代後期にヒットを連発した、シックのメンバーで音楽プロデューサーのナイル・ロジャースを招いた「Roses」でも、彼等最大のヒット曲「Good Times」(1979年)を下敷きにしたようなディスコ・ブギーを聴かせてくれる。クイーンタイトルでは、「Another One Bites the Dust」(1980年)に近い感じか。

 メンバーブライアン・メイロジャー・テイラーに招かれ、「クイーンアダム・ランバート」としての活動を成功させたアダムステージでは、敬愛する故フレディ・マーキュリーを継承した見事なパフォーマンスを披露したが、本作はクイーンの作品とは線引きをし、ソロ・アルバムとしての個性をしっかり表現している。

 腰が浮きそうになる前5曲から形勢を変え、6曲目にはエレクトロニカエフェクトを使わないピアノシンプルバラード曲「Closer to You」を配置。美しいメロディラインとエモーショナルなボーカルが魅力のバラード曲では、大編成のアンサンブルにゴスペルバックコーラスを乗せた「Feel Something」も絶品。フィナーレを飾るに相応しいゴージャス感と、不安定な心情を綴った歌詞は、今のアダムだからこそ表現できる業。

 「New Eyes」は、前半のディスコファンクとはまた違うテイストオールディーズ・ロック。芯に響くギターフックと、ずっしりとしたドラムビートいずれも70年代風で、ヒッピーやロックシンガーを真似たロングヘアで登場するサイケなMVも、当時をイメージした作りになっている。ロックでは、パワフルなボーカルエネルギッシュなトラックに圧倒させられる「Love Don't」もいい。

 英ロンドンシンガーソングライター=MNEKとブッチ・ウォーカーが参加した、ノスタルジックシンセポップOverglow」、音楽プロダクションのザ・モナークプロデュースした、殿下まんまのブルージーなミッド・ファンクComin in Hot」、ハイトーンとエレクトリック・ギターが映えるグラム・ロック「Ready to Run」等、1曲1曲が丁寧に作られていて、パフォーマーとしての成長が伺えるアルバムに仕上がった。LGBTQフォロワーからも支持されるアダムだが、歌詞においてはにはそういった要素やトランプ政権へのダイレクトな批判はみられず。どちらかというとトラックインパクトが強い。

 2009年オーディション番組『アメリカン・アイドル』で準優勝し、同年リリースしたデビューアルバムフォー・ユア・エンターテイメント』が米ビルボードソングチャート“Billboard 200”で3位にランクイン。2012年2ndアルバムトレスパッシング』は同チャート1位に輝き、シンガーとして大成功を収めたアダム・ランバート。最高3位を記録した前作『オリジナル・ハイ』(2015年)に続く本作で、さらなる飛躍の時を迎える。

Text: 本家 一成

『ベルベット』アダム・ランバート(Album Review)

(出典 news.nicovideo.jp)